試験で押さえておくべきポイントに絞って分かりやすく解説していくから。
ついでに、問題演習にもチャレンジしなさい!
試験で押さえておくべきポイントは次の5つ。
- イオン電極法とは?-測定装置の構成-
- イオン電極法の測定原理(ネルンスト式)
- イオンの活量
- 応答こう配 ◀これを解説!
- イオン電極の種類
応答こう配とは?
応答こう配って聞くと難しそうだけど、そんなに身構えなくて大丈夫。
応答こう配は、横軸をイオン濃度(正確には活量)の対数、縦軸を電位とした検量線の傾きのことよ。
...なんて言われても、ピンとこないよね。
だから、とりあえずは「イオン濃度が10倍変化したとき、電位が何mV変化するかを示す値」と考えておけば十分よ。
これだけ覚えておけば、試験対策は十分なんだから!
- 1価の陽イオン=約+60mV
- 2価の陽イオン=約+30mV
- 1価の陰イオン=約-60mV
- 2価の陰イオン=約-30mV
1価なら約 60 mV、2価なら 約 30 mV
って覚えるのよ。
「応答こう配」に注目。
応答こう配が陽イオンなら「+」、陰イオンなら「−」だから、
(ア)と(イ)は陰イオン、(ウ)は陽イオンになる。
これを満たす選択肢は3と5
1価なら「約60 mV」、2価なら「約30 mV」だから、
(ア)は2価、(イ)と (ウ)は1価になる。
これを満たす選択肢は5
【解答】5
解説
まずは(ア)の行の「応答こう配」を見なさい。
「-50~-60 mV」になっているでしょ。これは1価の陰イオンの特徴なんだから、(ア)に入るのはF-もしくはCl-よ。
この時点で、選択肢は1・3・5に絞られるわね。
次は(イ)を確認しなさい。
測定対象イオンはCa2+。2価の陽イオンなんだから、応答こう配は「+25~+30 mV」になるに決まってるでしょ。
これで残った選択肢は1だけ。
基本的なことだけど、シアンを取扱うときは必ずアルカリ性。酸性にすると有毒なシアン化水素が発生するからね。
【解答】1
解説
まずは(ア)の行の「応答こう配」を見なさい。
「+50~+60 mV」になっているでしょ。これは1価の陽イオンの特徴なんだから、(ア)に入るのはNa+もしくはNH4+よ。
この時点で、選択肢は1・3・4に絞られるわね。
次は(イ)を確認しなさい。
測定対象イオンはS2-。2価の陰イオンなんだから、応答こう配は「-25~-30 mV」になるに決まってるでしょ。
これで残った選択肢は1だけ。
【解答】1
60mVの導き出し方
その理屈もちゃんと教えてあげる。
まずは、検量線の傾きの求め方を思い出して。
高校1年生の数学で習ったでしょ?
$$傾き=yの増加量÷xの増加量$$
ここで
・「yの増加量」:2種類の標準液の電位の変化量
・「xの増加量」:2種類の標準液の濃度(正確には活量)の対数の変化量
を表してるの。
そして、電位はネルンストの式で求められる。
$$ E = E_0 + \frac{2.303RT}{zF} log_a $$ここで、温度25℃, 濃度が10ppmと100ppmの1価の陽イオンの電位を計算してみると
10ppmの場合
$$ E_1 = E_0 + 0.059\,\ log 10 = E_0 + 0.059 $$100ppmの場合
$$ E_2 = E_0 + 0.059\,\ log 100 = E_0 + 0.118 $$ここで求めたいのは電位そのものじゃなくて、電位の変化量だから2つの式を引き算するの。
$$ E_2 - E_1 = (E_0 + 0.118) - (E_0 + 0.059) = 0.059V $$ほら、E0が綺麗に消えた。
つまり、yの増加量=0.059Vになるの。
次は「xの増加量」ね。
横軸が濃度そのものではなく、濃度の対数だから
$$ log100 - log10 = log\frac{100}{10} = 1 $$となるの。
つまり、xの増加量=1
あとは傾きの式に代入するだけ。
$$傾き=yの増加量÷xの増加量$$だから、傾き(応答こう配)は 0.059V(約60mV)になるの。
もう一度、ネルンストの式を見て。
$$ E = E_0 + \frac{2.303RT}{zF} log_a $$1価のイオンでは、分母のzは1だったの。
でも、2価のイオンでは、分母のzは2になるの。
分母が2倍になると、式全体の値は半分になるよね。
だから、1価で約60mVだった応答こう配は、2価ではその半分の約30mVになるの。
試験では「1価なら約60mV、2価なら約30mV」と覚えておけば十分。
でも、その理由まで理解しておけば、忘れてしまっても自分で考え直せるわ。
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