2020年3月29日日曜日

環境計量士(濃度関係)の過去問解説(環濃)2018.12 問8

平成30年(12月)第69回 問8の解説

「JIS K 0105 排ガス中のフッ素化合物分析方法」からの出題ですが、問われている箇所は排ガスに限らずフッ素化合物の分析における基礎的な知識です。四角で囲んだ内容を中心に学習してください。


フッ素化合物の吸収液は水酸化ナトリウム溶液が一般的です。

フッ素化合物は強酸で分解するとフッ化水素酸を発生するので、吸収液が酸性側に傾かないようにアルカリ性にする必要があります。 したがって、空欄(ア)にはアルカリ性である水酸化ナトリウム溶液が入り、それ以外の吸収液は全て誤りですから、この時点で選択肢はに絞られます。


吸収液の水酸化ナトリウムがイオンクロマトグラフ法によるフッ素の測定を妨害する。

さて、この吸収液をイオンクロマトグラフ法で測定すると、フッ化物イオンのピーク付近でNaOHによる大きなピークが出現し、フッ化物イオンの測定ができません。これは、吸収液のNaOHの濃度が0.1mol/Lと高濃度なためです。

この場合、 JIS K0105 に示されているとおり、陽イオン交換樹脂を加えて吸収液中のナトリウムイオンを除去します。

ここで空欄(イ)の選択肢を見てみますと、選択肢の「キレート樹脂」が誤りです。

したがって、正解は


また、吸収液に二酸化炭素を除いた空気を通気することで、フッ素測定の妨害成分である炭酸イオンを吸収液から除去します。


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