2020年2月11日火曜日

平成30年(12月)環境計量士国家試験(環化)問3の解説

問3(第69回
大気汚染防止法第1条の内容について問われているので、さっそく条文を確認します。

第1条 この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、水銀に関する水俣条約(以下「条約」という。)の的確かつ円滑な実施を確保するため工場及び事業場における事業活動に伴う水銀等の排出を規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進し、並びに自動車排出ガスに係る許容限度を定めること等により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに大気の汚染に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。

ところで、「目的」の反対語を知っていますか?「目的」の反対の意味を持つ語は「手段」です。法律の条文ように長ったらしい文章を解読するには、こうしたちょっとした知識があると便利です。

さて、第1条の条文は大気汚染防止法の「目的」が書かれているわけですが、「目的」だけではなく、それを達成するための「手段」と、健康被害が出てしまった事態を想定して、事業者の損害賠償の責任についても定めています。

わたしは次のようにまとめました。

条文を丸暗記するような勉強法では正解にたどりつけないかもしれませんね。

(ア)~(エ)は「手段」について書かれています。もちろん、全部正しい内容です。
(オ)は人の健康に被害が生じた場合のことについて書かれています。これも正しい内容です。

したがって、正解は⑤