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2022年8月29日月曜日

第72回(2021.12)化学分析概論及び濃度の計算 問11

📁第72回(令和3年12月)

「JIS B7983 排ガス中の酸素自動計測器」に関する設問は頻出ですから、しっかりと準備をして試験に臨みましょう。リンク先のページに基礎事項をまとめておきました。


関連ページ

これから設問を見ていくわけですが、選択肢1~3の正誤判定は難しく、規格の隅々まで記憶していない対処できません。ですから、選択肢の1~3はとりあえず保留にして、先に選択肢の4と5を見ていきます。


選択肢4
電気化学式の一方式に、ジルコニア方式がある。

基本中の基本です。
「JIS B7983 排ガス中の酸素自動計測器」に規定されている計測器は、酸素の常磁性を利用する磁気式と、酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式の2つに大別されます。ジルコニア方式は、後者の電気化学式を利用する計測器で自動車などで幅広く用いられています。

したがって、これが正解です。


選択肢5
計測器の性能試験について、干渉成分の影響に関する項目は含まれない。

干渉成分に関する設問は過去に何度も出題されています。
磁気方式は一酸化窒素の影響を受け、ジルコニア方式は未燃焼ガスの影響を受けます。そのため、磁気方式には一酸化窒素が含まれたガスを、ジルコニア方式には一酸化炭素(未燃焼ガス)が含まれたガスを試験用ガスとして用いて、干渉成分の影響について試験を行う必要があります。(規格7.(8))

したがって、選択肢5の記述には誤りがあります。


1.校正ガスは原則としてゼロガスにはJIS K 1107(高純度窒素)の2級以上のものを用いる。(中略)ジルコニア方式では、最大目盛値の10%程度の酸素を含む窒素バランスの混合ガスを用いる。(規格8.4)

2.ダンベルとは、石英など酸素に比べて磁化率の非常に小さい材料を棒の両端に付けたもの。(規格3)

3.干渉影響試験を行う際は、指示値と使用測定段階(レンジ)の最大目盛値との比率を算出する。(規格7(8))


2020年5月10日日曜日

令和元年 環境計量士国家試験(環濃)問11の解説

問11(第70回 環濃)
「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」は、ほぼ毎回出題される超頻出テーマです。
このテーマについては過去の出題内容を踏まえ、別のページで試験に出る要点をまとめてあります。


(解説)
1 解説ページにも書いてありますが、磁気式の計測器には、磁気風方式と磁気力方式があります。したがって、この記述に誤りはありません。

 解説ページに書いてないのでパスします。

 磁気方式は一酸化窒素の影響を受け、ジルコニア方式は未燃焼ガスの影響を受けます。これは大切なポイントです。
そのため、干渉成分の影響について試験を行う際の試験用ガスは、磁気方式には一酸化窒素が含まれたガスを、ジルコニア方式には一酸化炭素(未燃焼ガス)が含まれたガスを試験用ガスとして用います。

したがって、この記述は誤りです。

 解説ページに書いてありますが、ジルコニア方式は、酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式の一方式です。したがって、この記述に誤りはありません。


正解は



環境計量士のためのPoint 解説 酸素自動計測器(JIS B7983)

「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」は、ほぼ毎回出題される超頻出テーマです。
過去の出題内容を踏まえ、酸素自動計測器についてまとめてみました。


この規格に規定されている計測器は以下のとおりです。

  • 酸素の常磁性を利用する磁気式
  • 酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式

酸素の常磁性とは?
とりあえず、動画をご覧ください。


酸素でふくらましたシャボン玉がネオジム磁石に引き寄せられていますね。
このように酸素の常磁性とは、磁場がないときは磁化を持たない(磁石のような働きをしない)けれど、磁場があると弱く磁化する磁性のことです。

そして、この常磁性を利用した計測器が磁気式であり、磁気風方式と磁気力方式の2つに分けられますが、試験で問われるのは磁気風方式のほうです。

磁気風方式
磁界内で吸引された酸素分子の一部が加熱されて,磁性を失うことによって生じる磁気風の強さを熱線素子によって検出する。

言葉だけでの説明ではなかなか覚えられないので、図のように左右に分かれたガス流路を例にして磁気風方式について考えてみます。

このガス流路の左側は(永久)磁石によって磁力がかけられていますが、右側の流路には磁力がかけられていません。そのため、このガス流路に酸素を含む測定ガスを流すと、測定ガスは酸素が磁界に引き付けられて左側の流路を進みます。


ところがしばらくすると、左側の通路の流れが悪くなります。この原因は測定ガスが磁力によって留まってしまうからです。そこで、磁力がかけられている流路を加熱すると、加熱によって磁性を失った測定ガスが磁気風と称する風を生じさせます。

この磁気風の強さは測定ガス中の酸素濃度に比例しますから、風の強さを検出することでその濃度を求めることができます。


磁気方式の特徴
一酸化窒素も常磁性がありますから、これの影響がある場合は正確な測定はできません。したがって、磁気方式の干渉影響試験には、一酸化窒素を含む試験用ガスを用います。


2020年4月6日月曜日

平成30年(12月)環境計量士国家試験(環濃)問11の解説

問11(第69回 環濃)
「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」は、ほぼ毎回出題される超頻出テーマです。
このテーマについては過去の出題内容を踏まえ、別のページで試験に出る要点をまとめてあります。


(解説)
1 選択肢には「~常磁性体である酸素分子を高温に加熱することで磁化された際に生じる吸引力を利用して~」と書かれていますが、下線部の「高温に加熱することで磁化」がおかしくないですか?高温で加熱すると磁性を失ってしまいます。

したがって、この記述は誤りです。


正解は