第59回まで遡って調べてみましたが「JIS B7985排出ガス中のメタン自動計測器」からの出題は初めてかもしれません。次回以降も出題される可能性があるのかは不明ですが、環境計量士の試験問題は数年続けて似たような設問が出題される傾向がありますから、準備しておいた方が良いでしょう。
選択肢を順番に見ていきます。
選択肢1
赤外線吸収方式の計測器は、共存する二酸化炭素の影響を受けない。
規格4によると、赤外線吸収方式の適用条件は ” 共存する二酸化炭素の影響を無視できる場合、又は影響を除去できる場合に適用する ” とありますから、この記述は誤りです。
選択肢2
試料採取部の導管は、メタンを濃縮するために冷却を行わなければならない。
規格6.3 c)によると、試料採取部の導管は ” 排ガスを一次フィルタから試料導入口に導入する管で、一般に四ふっ化エチレン樹脂製のものを用いる。水分が吸引経路の途中で凝縮することを防止するため、必要に応じて加熱する ” とありますから、この記述は誤りです。
選択肢3
選択燃焼管は、メタンを選択的に燃焼除去するために使用する。
規格6.4.1 h)によると、選択燃焼管は ” 試料ガス中の非メタン炭化水素を燃焼除去し、干渉成分の影響を低減させるための前処理装置で、メタンと非メタン炭化水素との触媒による燃焼効率の差を利用し、非メタン炭化水素を選択的に除去できるものを用いる ” とありますから、この記述は誤りです。
選択肢4
選択燃焼式水素炎イオン化検出方式では、分析計に導入する助燃ガスとして合成空気を使用することができる。
規格6.4.5 f)によると、選択燃焼式水素炎イオン化検出方式に用いる助燃ガスは ” 除湿器若しくは空気精製器で精製した空気、又は容器詰め精製空気若しくは合成空気などを用いる” とありますから、この記述に誤りはありません。
選択肢5
計測器のゼロ調整は、電源投入後にゼロガスを導入して素早く行う。
規格7.3 a)によると、計測器のゼロ調整は ” ゼロガスを設定流量で計測器に導入し、指示が安定した時点でゼロ調整を行う ” とありますから、この記述は誤りです。
以上より正解は4