ここでは環境計量士(濃度)の試験対策として、 pH 測定方法に関連する出題頻度の高い内容を扱います。
3.1 pH(ピーエッチ又はピーエイチと読む。)
・ガラス電極pH計によって測定される起電力から求められる値。
7.4 pH標準液の保存方法
・調製pH標準液は、上質の硬質ガラス又はポリエチレン製の瓶中に密閉して保存する。
・pH標準液は、一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは再度使用してはならない。
8.2.1 測定方法 準備
・検出部は水で繰り返し3回以上洗い、きれいなろ紙、脱脂綿などで拭っておく。
・(検出部が)特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤、0.1
mol/L塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗う。
・長く乾燥状態にあったガラス電極は、あらかじめ一夜(例えば,12時間)水中に浸した後使用する。
・トレーサビリティが必要な場合には、認証pH標準液を用いなければならない。
8.2.3 測定
・試料溶液の量は、測定値が変化しない程度に十分にとる必要がある。
・pH値が11以上の測定に対しては、通常のガラス電極ではアルカリ誤差を生じ、その測定値が低く出るおそれがある。特に、アルカリ金属イオン濃度が高い場合には誤差が大きくなる。
〔解説〕
1.誤り。よく出題される内容ですね。pH はピーエイチもしくはピーエッチと読みます。
正解は1
〔解説〕
1.誤り。pH 標準液は、一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは再度使用してはいけません。なぜなら、標準液の一部は、二酸化炭素などを吸収してpH値が低下するからです。使用する際は小さい容器に必要な分量だけを取り分け、容器は直ちに密栓し、取り分けた標準液は直ちに使用し、使用後は必ず廃棄しましょう。元の容器に戻してはいけません。
2.正しい。規格の8.2.1に記載された内容です。
3.誤り。pH値が11以上の測定に対しては、通常のガラス電極ではアルカリ誤差が生じ、その測定値が低く出るおそれがあります。(アルカリ金属イオン濃度が高い場合、誤差が大きくなる。)
この場合、アルカリ誤差の少ない電極(強アルカリサンプル用pH電極など)を使用し、かつ、必要な補正(中性リン酸標準液と高 pH 標準液を用いて2点校正する。)をすることが望ましいです。
※ 高 pH 標準液として、炭酸塩を含まない0.1 mol/L水酸化ナトリウム溶液と飽和水酸化カルシウム溶液があります。
4.誤り。ゼロ校正には「中性リン酸塩 pH 標準液」を使用します。
5.誤り。トレーサビリティが必要な場合、認証pH標準液を使用して校正を行わなければなりません。
正解は2
〔解説〕
1.誤り。ゼロ校正には「中性リン酸塩 pH 標準液」を使用します。
2.誤り。ガラス電極が特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤、0.1 mol/L塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗います。固体膜電極であれば1200番程度の研磨紙で研磨が可能ですが、pH測定に使用するガラス膜電極では研磨はできません。
3.誤り。ガラス電極は、温度によって発生する起電力(電圧)の大きさが変化します。また、水などの溶液は、温度によってその電離平衡が変化するため、結果的に水素イオン濃度が変化します。
5.誤り。pH 標準液は、一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは再度使用してはいけません。
以上より、消去法で正解は4
〔解説〕
1.正しい。規格の8.2.1に記載された内容です。ただし、取扱説明書で対処法を確認することを推奨します。
2.誤り。検出部は水で繰り返し3回以上洗い、きれいなろ紙、脱脂綿などで拭っておく。ただし、特に汚れている場合には、必要に応じて洗剤、0.1 mol/L塩酸などで短時間洗い、更に流水で十分に洗います。
3.誤り。一致させる必要はありません。検出器が十分に浸かり、測定値が変化しない程度の一定量以上の試料溶液があれば十分です。
4.誤り。pH計では、ガラス電極と比較電極との間の電位差を測定しています。
5.誤り。pH値が11以上の測定に対しては、通常のガラス電極ではアルカリ誤差が生じ、その測定値が低く出るおそれがあります。(アルカリ金属イオン濃度が高い場合、誤差が大きくなる。)
正解は1
〔解説〕
1.誤り。pH 標準液は、一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは再度使用してはいけません。
2.誤り。pHは、ガラス電極pH計によって測定される起電力から求められます。
3.誤り。「pH」は法定計量単位として規定されていますが、「ペーハー」という読み方は規定されていません。「ピーエイチ」もしくは「ピーエッチ」と読みます。
4.誤り。有機酸塩の pH 標準液は、試料溶液の pH 値が7以下の場合のスパン校正に用います。
5.正しい。
正解は5