2024年9月23日月曜日

環境計量士と排ガス試料採取方法(4)

5.除湿器・気液分離器・安全トラップ

・除湿器
計測器内部で試料ガス中の水分が凝縮しない程度に除湿を行うもので、(中略) 除湿器の選択は、試料ガス中の湿度、分析計の特性、要求測定精度などに応じて、これらの方法のいずれかから単独または組合せて用いる
但し、水分による干渉を受ける分析計では、前処理部を出たガスの露点を一定に保持する電子冷却式を用いる。水分による干渉を受けない分析計ではいずれを用いてもよい。(6.9.a)

・気液分離器
冷却除湿を行うとき、凝縮水を試料ガスから速やかに分離させるためのもので、除湿器の後段に接続し、気液分離管及び凝縮水トラップからなる。(6.9.b)

・安全トラップ
凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐため、必要に応じて凝縮水トラップの排出管に安全トラップを接続する。(6.9.c)

 JISには除湿器として5つの除湿方式が記載されていますが、全部覚える必要はありません。


第72回(2021.12)
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〔解説〕
1.採取管の内径については覚えていないので、保留にします。

2.規格の6.4.aに記載されている内容です。

3.規格の6.9.aに記載されている内容です。

4.規格の6.9.bに記載されている内容です。

5.規格の6.9.cに記載されているように安全トラップの設置目的は、凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐためですから、ここの記述は誤りです。

正解は5


第70回(2019.12)
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 〔解説〕

1と2.規格の6.9.aに記載されている内容です。

3.水冷式の除湿器の冷却温度が規定されているのか、いないのか、そんなことまで覚えていないから保留。

4.規格の6.9.aに記載されているように、水分による干渉を受ける分析計では、前処理部を出たガスの露点を一定に保持する電子冷却式を用いるのであって、自然空冷式の除湿器は用いません。したがって、これが正解です。

正解は4


第66回(2016.3)
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〔解説〕
1.規格の6.3にあるように、採取管の先端の形状は、試料ガス中にダストが混入しにくい構造が望ましいのであって、水蒸気が混入しない形状は誤りです。

2.400℃以上でも使用できる材質として、シリカガラスやステンレス鋼があります。

3.規格の6.2にあるように、ろ過材の材質は採取管や導管と同様、排ガス中の腐食性成分によって腐食されにくい材質を選択しますから、ここの記述は誤りです。

4.規格の6.9.cにあるように、安全トラップの設置目的は、凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐためですから、ここの記述は誤りです。

5.規格の6.9.bにあるように、気液分離器は凝縮水を試料ガスから速やかに分離させるためのもので、除湿器の後段に接続しますから、ここの記述は誤りです。

正解は2


第63回(2013.3)
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〔解説〕
1と2.規格の6.9.aに記載されている内容です。

3.半透膜気相除湿方式については分からないので、保留。

4.規格の6.9.aに記載されている内容です。

5.規格の6.9.bに記載されている内容です。

選択肢の3を除き、いずれも正しい記述内容なので、消去法で3が正解になります。


第60回(2010.3)
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 〔解説〕

1.規格6.4.aに記載されている内容です。

2.この規格に限らず、試験・測定前に配管やシステム内を試料ガス等で置換・パージするのは常識ですな。

3.規格6.9.bに記載されている内容です。

4.規格の6.9.cにあるように、安全トラップの設置目的は、凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐためですから、ここの記述は誤りです。

正解は4