2023年6月4日日曜日

第73回(2022.12)環境計量に関する基礎知識(化学)問7

 📁第73回(令和4年12月)

放射性同位体の原子核が放射線を放出することで、より安定な原子核へ変化していく現象のことを放射性崩壊(放射性壊変)と言います。

ここで問われている β 崩壊とは「原子核を構成する中性子が電子と陽子に変化して、そのうちの電子 e- が核外に放出される現象」のことを言い、β線とは放出された電子 e- のことを指します。放出された電子は負に帯電していますから β にマイナスの符号を付けて β- 崩壊と書くこともあります。



さて、問題を解いていきましょう。

β- 崩壊の際、原子核の中性子が陽子に変化したので、原子核を構成する中性子の数は1つ減り、反対に陽子の数は1つ増えます。
「陽子の数=原子番号」ですから、β- 崩壊によって原子番号は1つ増えます。ところが、中性子と陽子の総数は変化しませんから質量数は β- 崩壊前と同じです。

したがって、質量数32の P が β- 崩壊しても質量数は32のままですから、質量数32の S が正解となります。