2022年9月17日土曜日

第72回(2021.12)化学分析概論及び濃度の計算 問21

📁第72回(令和3年12月)

液クロ(イオンクロ)に関する設問はほぼ毎年出題されますから、しっかりと準備をして試験に臨みましょう。


1.分離カラムの性能の低下について、JIS K0102 には次のような記載があります。

JIS K0102 35.3 備考10
分離カラムは使用を続けると性能が低下するので、定期的にその性能を確認する。 性能が低下した場合、溶離液の約10倍の濃度のものを調製し、分離カラムに注入して洗浄した後に性能の確認を行い、性能が回復しない場合には新品と取り替える。

以上より、記述内容に誤りはありません。


2.懸濁物を含む試料について、JIS K0102 には次のような記載があります。

JIS K0102 35.3 備考10
試料中の懸濁物、有機物(たん白質、油類、界面活性剤など)などによって(分離カラムは)汚染され性能が徐々に低下するので、懸濁物を含む試料はc)の準備操作で除去した後に試験する。

※ 「 c) の準備操作」とは、試料をろ過することです。

選択肢には「ろ過することなく分析する必要がある」とあるので、ここの記述内容には誤りがあります。正解は2。


3.既に正解は分かっていますが、サプレッサーの知識も頭の片隅に置いておいてください。

陰イオンをカラムで分離するには、CO32- や OH- が必要です。そのため Na2CO3 や NaOH といった、アルカリ性水溶液を溶離液として用いますが、Na+ が溶離液そのものの電気伝導度を大きくしてしまいます。その結果、バックグラウンド(ベースライン)が高くなり、 S/N 比が悪化します。

この問題を解決するには、この Na+ を H+ とイオン交換し、溶離液の組成を電気伝導度の低い H2CO3 や H2O に変化させなくてはなりません。

サプレッサーには、溶離液中の陽イオンの濃度に対して十分なイオン交換容量をもつ陽イオン交換膜又は同様な性能をもった陽イオン交換体が充填してあり、溶離液中の陽イオンを水素イオンに変換することで溶離液の電気伝導を小さくして S/N 比向上させる働きがあります。

したがって、記述内容に誤りはありません。