JIS K0050 の「5.数値の表し方及び丸め方」からの出題です。選択肢を1つ1つ見ていきましょう。
1.許容差として「±」を付けて数値を指定する場合、丸めた結果が指定した範囲にあることを許容することになります。
設問にある「9.76」を丸めると「9.8」になりますから、「10±0.2」の範囲に含まれます。
2.設問にあるように連続符号「〜」を付けて範囲を指定する場合、丸めた結果が10から15までの範囲にあることを許容することになります。
たとえば、正確に10以上かつ15以下を示したいときは「10.00〜15.00」 のように必要な桁数を明示します。ただし「10 ℃〜15 ℃」のように温度範囲を指定する場合は、範囲の最低値は1桁下の数値を切り捨てた温度を、最高値は切り上げた温度を意味します。
設問にある「9.9」を丸めると「10」になりますから、「10~15」の範囲に含まれます。
3.「約」を付けて数値を指定する場合、その数値に近い値を意味します。「近い値」とは、その数値の「±10%」又はその数値への丸め誤差のいずれか幅広い方とします。
たとえば「約10」の許容範囲は、その数値の「±10%」であれば「9〜11」、その数値への丸め誤差であれば、「9.5〜10.5(丸めの幅が1の場合)」です。いずれか幅広い方とするので、許容範囲は「9〜11」となります。
設問にある「9.1」は「9〜11」の範囲に収まりますから「約10」の範囲に含まれます。
4.体積について「正確に10 mL」のように指定するときは、全量フラスコ、全量ピペット、ビュレットなどを用い、その体積計のもつ正確さで液体をはかることを意味します。
したがって、呼び容量10mLの全量ピペットを用いてはかることは許容されます。
5.質量について「正確に10.0 g」を指定する場合と、「約10 gを1 mgの桁まで正確にはかる」を指定する場合とを明確に区別します。前者は丸めた結果が10.0 gであることを意味し、後者は例えば9.856 gのようにはかることを意味します。
「10.01」を丸めると「10.0」になりますから、10.01gは許容されます。
正解は5