2021年5月9日日曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 第71回(令和2年)問15

📁第71回(令和2年)

少し難しそうに感じてしまうかもしれないが、問題文をよく読むと高校で学習する燃料電池について問われているのだとわかる。

問題文に ΔG = -nFE° が与えられているから、これを燃料電池の標準起電力 についてまとめて E° = ΔG / (-nF) とする。また、問題文には ΔG = -237 (kJ/mol) と F = 96500 C/mol も与えられているから、我々がやるべきことは化学反応で移動する電子数 n を考えるだけだ。

化学反応で移動する電子を確認するには、酸化剤と還元剤の半反応式を書くしかない。

(還元剤)H2 → 2H+ + 2e-
(酸化剤)1/2 O2 + 2e- → O2-

移動する電子の数 n が 2 であることが分かったので、 E° = ΔG / (-nF)  にそれぞれの数値を代入する。

 = -237 (kJ/mol) / -2×96500(C/mol)

 = 0.001227(kJ/C)

選択肢の中に0.001227はないが 1.23がある。kJ/C を J/C に変換すると 0.001227×1000 より 1.227 になるから、選択肢4の1.23 Vが正解。