2021年5月2日日曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 第71回(令和2年) 問9

📁第71回(令和2年)

高校で学習する無機化学を中心とした出題。

炭素には手が4本あり、単結合、二重結合、三重結合する。これは化学を勉強したことのある人の炭素についての認識だ。別に間違っちゃいない。この認識があれば、次に挙げる分子構造についてはすぐに理解できるはずだ。

逆になかなか理解できないものとして、CO がある。そこで、CO の成り立ちをルイス構造で考えてみよう。
炭素と酸素のルイス構造は次のようになっており、これらを合体させると少し不都合が生じる。

どんな不都合が生じるかというと、オクテット則を満たせず分子全体としてバランスが悪くなってしまうのだ。ちなみに、オクテット則とは原子の最外殻電子は8個になりやすいというルールのことだ。

そこで、酸素側の余分な電子を炭素側に与える。

これを構造式で描いてみると下のようになり、CN-と同じ構造であることがわかる。正解は

SiO2 の構造をこのように考えて、5を選択してしまった人へ。

たしかに、ケイ素は炭素と同じ族だから手が4本ある。だから、このように考えてしまいがちだ。しかし、二酸化ケイ素は必ずダイヤモンド構造になるから、これは誤り。正解は下のようなものが永遠と繋がる図になる。