2020年5月6日水曜日

令和元年 環境計量士国家試験(環濃)問8の解説

問8(第70回 環濃)
第63回の問12で「JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析法」について出題されています。しかも、選択肢が5つとも今回と同じ内容でした。それだけ設問のネタになるようなポイントのない分析法なのかもしれません。


この分析法について少しまとめておきましょう。

硫黄酸化物(SOx)とは、SO2 と SO3 のことです。
この分析法では SO2 と SO3 をそれぞれ別々に定量するのではなく、過酸化水素水で試料ガスを吸収することにより、全ての硫黄酸化物を硫酸に変換した上でまとめて定量を行います。

SO2 + H2O2 → H2SO4
SO3 + H2O → H2SO4

定量方法はイオンクロマトグラフ法と沈殿滴定法(アルセナゾⅢ法)の2つがあり、いずれも硫酸イオンとして硫黄酸化物を測定します。


さて、選択肢のを見てみましょう。

「~法では、硫黄酸化物をチオ硫酸に変換して測定する。」とあります。
しかし、これはチオ硫酸ではなく硫酸の間違いですから、選択肢の記述内容は誤りです。

正解は