2020年4月10日金曜日

第69回環境計量士国家試験(環濃)問16の解説

問16(第69回 環濃)
「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」に関する設問はよく出題されるので、まとめておきます。次の3つのポイントを押さえてください。

  1. ホルムアルデヒドの分析法としては現在、DNPH誘導体化―HPLC分析法が最も広く利用されています。
    (排ガス、作業環境、室内空気などで)
  2. サンプリング方法として、DNPH溶液を用いるインピンジャー法(吸収瓶法)がこれまで使用されてきましたが、現在は操作が簡単なDNPHコーティングしたシリカを充填したDNPHカートリッジ法(固体捕集法)が最も多く採用されています。
  3. DNPH誘導体化法における妨害物質として、二酸化窒素が挙げられます。
    二酸化窒素はDNPHと反応して、2,4-ジニトロフェニルアジトを生成します。これがクロマトグラフにおいてホルムアルデヒドと似通った挙動を示すので、二酸化窒素の体積分率が10 vol ppm以下の場合に限り、DNPH誘導体化法が適用されます。


以上より、捕集バッグ法とホルムアルデヒドとの組合せが誤りだと分かります。
正解は