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2020年1月6日月曜日

環境計量士のための Point 解説 アルドール反応とは?

Wikipediaによるとアルドール反応とは、α 位に水素を持つカルボニル化合物が、アルデヒドまたはケトンと反応してβ-ヒドロキシカルボニル化合物が生成する反応のことです。

この反応は求核付加反応のひとつであり、 アルデヒド同士がこの反応を起こすとアルドールを生成することから、この名で呼ばれています。

無駄なく簡潔にまとめられた文章ですが、ちょっと難しいですね。
詳しく見ていきましょう。


α 位に水素を持つカルボニル化合物とは?

カルボニル基に直接結合する炭素原子には、カルボニル基を始点として両側へ離れる方へ、ギリシャ語のアルファベットの名前をつけます。


そして、α 炭素に結合する水素(プロトン)を α 水素とよびます。
この α 水素には酸としての性質があるので、下の図のように塩基と反応(脱プロトン化)してエノラートが生成します。


H+を失った α 炭素はマイナスの電荷を帯びているので、求核剤として求電子剤を求核攻撃(求核付加反応)します。


攻撃対象の求電子剤がない場合、何が起こるでしょうか?

カルボニル化合物は求電子剤ですから、エノラートはカルボニル基を攻撃します。
これをもう少し詳しく見ていきましょう。

はじめに、アルデヒド由来のエノラートがアルデヒドを求核攻撃(求核付加反応)すると、アルデヒドの二重結合が破壊されます。

次に、破壊後に残った四面体はマイナスの電荷を帯びているので、プロトン化してこれを取り除きます(塩基性条件下でのプロトン源は水です)。

そして最後に、β位にOH基があるβ-ヒドロキシアルデヒドが生成します。
この一連の反応をアルドール付加反応というのです。


参考動画


参考文献

John, McMurry『マクマリー有機化学 第9版』東京化学同人(700-702)
D.Rクライン『困ったときの有機化学 第2版』化学同人(239-249,260-262)
亀田和久『亀田講義ナマ中継有機化学』講談社サイエンティフィック(154-162)