2023年8月6日日曜日

第73回(2022.12)環境計量に関する基礎知識(化学)問17

 📁第73回(令和4年12月)

計算に必要な式や数値が与えられているので、ただ計算するだけの問題です。

はじめに、与えられた数式と数値を用いて 液体 A の 1 mol あたりの自由変化エネルギーを計算してみます。

R = 8.31 J/mol・K
T = 273 + 27 K
XA = 0.5 / (0.5 + 0.5) = 2-1
ln 2-1 = -1 × ln 2 = −0.693

以上の数値を次の数式に代入すると

ΔGA = RT lnXA = 8.31 × (273+27) × (−0.693) = −1728 J/mol

つまり、液体 A の 1 mol あたりの自由変化エネルギーは −1728 J です。


”2種類の純粋な液体 ” の1つが ” 成分 A ” ですから、もう一方の成分を ” 成分 B  ” とし、ここからは 成分 B について考えていきます。

A と B 、2種類の成分が 0.50 mol ずつ混合していますから、成分 B のモル分率 XB も 成分 A のモル分率  XA と同じ 2-1 になります。

つまり、ΔGB = RT lnXB に入力する数値は ΔGA に入力した数値と全く同じですから、ΔGB = ΔGA です。


最後に、系全体の自由変化エネルギー(ΔGT)を考えます。

2種類の成分が 0.50 mol ずつ混合していますから、ΔGT = 1/2ΔGA + 1/2ΔGB となるはずです。

したがって、系全体の自由変化エネルギーは

ΔGB = ΔGA より
ΔGT = 1/2ΔGA + 1/2ΔGA = ΔGA
ΔGT =  −1728 J/mol

正解は