2021年7月24日土曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環濃) 第71回(令和2年)問10

📁第71回(令和2年)

前々回(第69回)の問10に酷似した出題内容だね。

はじめに、基本事項を確認しておこう。
排ガス中のアンモニアの分析をするのであれば、何らかの方法でアンモニアを液体に吸収する必要がある。吸収されたアンモニアはアンモニウムイオンとなるが、この吸収液がアルカリ性であった場合、下の化学反応式で示すように再びアンモニアは遊離してしまう。遊離したアンモニアは蒸気圧が高く非常に蒸発しやすい。

NH4 + OH- ⇄ NH3 + H2O


選択肢1
試料ガス中の目的成分を、水酸化ナトリウム溶液に吸収させて発色させる。

吸収液がアルカリ性の場合、アンモニアは遊離して容易に蒸発してしまうから、ここの記述内容は誤り。内容に誤りがあるから、JISに規定された記述ではない。


次に、環境計量士が知っておくべきアンモニウムイオンの分析方法を紹介しておこう。

アンモニウムイオンの分析方法
  1. インドフェノール青吸光光度法
  2. 中和滴定法
  3. イオン電極法
  4. イオンクロマトグラフ法

 吸光光度法は1のインドフェノール青吸光光度法だけなので、選択肢3が正解。