2021年7月31日土曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環濃) 第71回(令和2年)問11

📁第71回(令和2年)

頻出テーマの『排ガス中の窒素酸化物』からの出題。
排ガス中の窒素酸化物の分析方法の規格は JIS K0104 と JIS B7982 の2つがあり、前者は問8で出題された。ここでは後者の自動計測システムについて問われている。

JISB7982では4つの分析方法が規定されているが、私の知る限り過去に試験に出題されたことがあるのは化学発光法のみ。だから、化学発光法について要点をまとめておこう。

JIS B7982 の化学発光法
化学発光法の方法の原理は、一酸化窒素とオゾンを反応させたときに生成される光化学的に励起状態にある一酸化窒素の発光強度を測定するもの。
これにより試料大気中の一酸化窒素濃度を測定することができる。また、二酸化窒素を一酸化窒素に還元することで、試料大気中の窒素酸化物の測定が可能。

以上より、選択肢4と選択肢5の記述内容に誤りはない。


選択肢3
試料採取部の導管は、十分に冷却する。

一般的に排ガスは高温であり、これを冷却すると結露が生じてしまうことは容易に想像できる。また JIS B 7982 5.3.c) には、次のような記載がある。


JIS B7982 5.3.c
一次フィルタから除湿器までの導管は、水又は酸が凝縮しないように必要に応じて加熱する。

以上より、選択肢3の記述内容は誤り。

正解は3