頻出テーマの『排ガス中の窒素酸化物』からの出題。
排ガス中の窒素酸化物の分析方法の規格は JIS K0104 と JIS B7982
の2つがあり、後者は自動計測システムの規格。 そして、JIS
K0104では5つの分析方法が規定されているが、過去に出題されたことがある分析方法はイオンクロマトグラフ法とザルツマン吸光光度法の2つのみ。
ザルツマン吸光光度法について試験に出題される要点
ザルツマン吸光光度法は、試料ガスをスルファニル酸−ナフチルエチレンジアミン酢酸溶液の入った吸収瓶に通すことによって、試料ガス中の二酸化窒素を橙赤色に発色させ、吸光度(545nm)を測定する。
また、他の4つの分析方法が一酸化窒素と二酸化窒素を測定対象としているのに対し、ザルツマン吸光光度法だけが二酸化窒素のみを測定対象としている特徴がある。
また、他の4つの分析方法が一酸化窒素と二酸化窒素を測定対象としているのに対し、ザルツマン吸光光度法だけが二酸化窒素のみを測定対象としている特徴がある。
では、設問を見ていこう。
1.上で説明したとおり、測定対象成分は二酸化窒素のみ。したがって、この記述は誤り。
2.ザルツマン吸光光度法は、試料ガスをスルファニル酸−ナフチルエチレンジアミン酢酸溶液の入った吸収瓶に通すことによって、二酸化窒素の捕集と発色を同時に行っているから、吸収瓶法に分類される。したがって、この記述は誤り。
3.スルファニル酸−ナフチルエチレンジアミン酢酸溶液は吸収液であり、発色液でもある。したがって、この記述は誤り。
4.ガスをスルファニル酸―ナフチルエチレンジアミン酢酸溶液に通して発色させるので、この記述に誤りはない。
5.ザルツマン吸光光度法は、試料ガス中の二酸化窒素を選択的に吸収して発色するので、前処理は必要ない。
正解は4