2021年6月9日水曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 第71回(令和2年)問22

📁第71回(令和2年)

高校で学習する弱酸のpHを計算する基本問題。化学だけでなく数学の知識も必要だから数学に苦手意識を持つ文系出身者にはツライ問題。基本的な数学の公式は太字で記した。


水溶液中の酢酸は次のように電離していて、平衡状態に達している。

CH3COOH  ⇄  CH3COO- + H+

そして、水溶液中の CH3COO- と H+ の濃度は等しい。
このとき、酢酸の酸解離定数をとると Ka = [CH3COO-][H+] / [CH3COOH]  となるが、水溶液中の CH3COO- と H+ の濃度は等しいから、Ka = [H+]2 / [CH3COOH]  に置き換えられる。

問題文より酢酸の濃度が 0.10 mol/L だから
 Ka = [H+]2 / 0.10
 [H+]2 = K× 0.10
 [H+] =√K× √0.10

pH = - log10 [H+] だから、両辺に -log10 をかける。
- log10  × [H+] = -log10 × √K× √0.10
pH = - log10 × √K× √0.10

logaNM = logaN + logaより
pH = -( log10 × √0.10 + log10 × K)

√a = a0.5 より
pH = -( log10 × 0.100.5 + log10 × Ka0.5 )

0.1 = 10-1 だから
pH = -( log1010-0.5 + log10Ka0.5 )

logaMr = r logaより
pH = -(-0.5 × log1010 + 0.5 × log10Ka )
pH = 0.5 × log1010 - 0.5 × log10Ka 

logaa = 1, pKa = - log10Ka = 4.8 より
pH = 0.5 × log1010 + 0.5 × (-log10Ka)
pH = 0.5 × 1 + 0.5 × 4.8 = 2.9

正解は


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