2020年5月12日火曜日

環境計量士のためのPoint 解説 ガス分析装置校正方法(JIS K0055)

「JIS K0055 ガス分析装置校正方法」は、かなりの頻度で出題される頻出テーマです。そこで、過去の出題内容を踏まえ、ガス分析装置校正方法のポイントをまとめてみました。


最も出題される5つの用語です。

  • 校正用ガスは、分析装置の校正に用いる標準ガスで、ゼロガス・スパンガス・中間点ガスの総称。
  • ゼロガスは、分析装置の最小目盛値を校正するために用いる校正用ガス。
  • スパンガスは、分析装置の所定の測定段階(レンジ)の、最大目盛付近の目盛値を校正するために用いる校正用ガス。
  • 中間点ガスは、分析装置の所定の測定段階(レンジ)内の、最小目盛と最大目盛の間の目盛値を校正するために用いる校正用ガス。
  • 希釈ガスは校正用ガスを調製する際に、目的成分ガスをある濃度に希釈するために用いるガスで、目的成分ガスに経時変化を起こさせるような成分、又は測定値に影響を与えるような成分を含まないもの。

(解説)
正誤問題で度々登場します。それぞれのガスの違いを明確に説明できるようにしましょう。


校正用ガス

校正用ガスには、容器詰め校正用ガスと校正用ガス調製装置による校正ガスの2つがあります。
  • 容器詰め校正用ガスは、計量法トレーサビリティ制度などにおいて供給されている実用標準ガスのことです。
  • 校正用ガス調製装置による校正用ガスは、容器詰め校正用ガスなどの既知濃度のガスを原料ガスとして、調製装置から得られたガスのことです。

(解説)
校正ガスの調製方法にはいくつか種類があり、それぞれ名称があります。しかし、その名称まで覚える必要はないと私は思っているので、ここに名称は挙げません。
過去に一度だけ、その名称について出題されましたが、名称を覚えることにどれほどの意味があるのか?私はその出題者に問いたいです。
今後も名称について出題される可能性はゼロではありません。しかし、貴重な時間をこんな内容の勉強に費やすのであれば、もっと得点に繋がる可能性の高い内容の勉強に費やすべきでしょう。


校正の準備

  • 校正用ガスを分析装置に導入するための配管接続はできる限り短く、かつ、遊び空間ができないように定められた導入口に接続する。
  • 配管の材質には吸着性、反応性及び透過性が小さいものか無視できるもの(例えばステンレス鋼、四ふっ化エチレン樹脂など)を用いる。

(解説)
下線部が正誤判定でよく出題されます。


定期校正

定期校正の実施周期は、分析装置の種類・用途に応じ、その性能が維持できる期間を調べて、あらかじめ定めておかなければならない。通常、1 か月、3 か月、6 か月など、少なくとも 1 か年を超えない期間を周期として行う。また、分析装置の設置時、修理後、校正用ガスの更新時などにも行う。

(解説)
定期的な校正さえ行っていれば良いのではなく、分析装置の修理後や校正用ガスの更新時など計量管理上必要なときには、定期校正に関係なく校正を行うべきです。