この反応は求核付加反応のひとつであり、 アルデヒド同士がこの反応を起こすとアルドールを生成することから、この名で呼ばれています。
無駄なく簡潔にまとめられた文章ですが、ちょっと難しいですね。
詳しく見ていきましょう。
α 位に水素を持つカルボニル化合物とは?
カルボニル基に直接結合する炭素原子には、カルボニル基を始点として両側へ離れる方へ、ギリシャ語のアルファベットの名前をつけます。
そして、α 炭素に結合する水素(プロトン)を α 水素とよびます。
この α 水素には酸としての性質があるので、下の図のように塩基と反応(脱プロトン化)してエノラートが生成します。
H+を失った α 炭素はマイナスの電荷を帯びているので、求核剤として求電子剤を求核攻撃(求核付加反応)します。
攻撃対象の求電子剤がない場合、何が起こるでしょうか?
カルボニル化合物は求電子剤ですから、エノラートはカルボニル基を攻撃します。
これをもう少し詳しく見ていきましょう。
はじめに、アルデヒド由来のエノラートがアルデヒドを求核攻撃(求核付加反応)すると、アルデヒドの二重結合が破壊されます。
次に、破壊後に残った四面体はマイナスの電荷を帯びているので、プロトン化してこれを取り除きます(塩基性条件下でのプロトン源は水です)。
そして最後に、β位にOH基があるβ-ヒドロキシアルデヒドが生成します。
この一連の反応をアルドール付加反応というのです。
参考動画
参考文献
D.Rクライン『困ったときの有機化学 第2版』化学同人(239-249,260-262)
亀田和久『亀田講義ナマ中継有機化学』講談社サイエンティフィック(154-162)