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2020年4月17日金曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 2019.12 問8

令和元年(12月)第70回

溶解度積に関する設問で、高校で学習する内容です。

Mgイオンを含む水溶液に塩基を加えて pH を上昇させると Mg(OH)2 が沈殿します。この難溶性の Mg(OH)2 では次の電離平衡が成立します。

Mg(OH)2 ⇄ Mg2+ + 2OH-

このとき Mgイオンの濃度 [Mg2+] と水酸化物イオンの濃度 [OH-]2 の積を溶解度積Kspといいます。この溶解度積Kspは温度が一定のとき、一定値をとります。

Ksp = [Mg2+][OH-]2 (mol/L)3

そして、[Mg2+]と[OH-]2 の積が Ksp を越えると Mg(OH)2 の沈殿が生じます。


さて、設問を解いていきましょう。
問題文に次の式が与えられています。

[Mg2+][OH-]2 = 1.0×10-11 ・・・・・①

MgSO4 水溶液の濃度が 1.0×10-3 mol/L ですから、[Mg2+]=1.0×10-3 となります。これを①式に代入すると...

(1.0×10-3)[OH-]2 = 1.0×10-11
[OH-]2 = (1.0×10-11) / (1.0×10-3) = 1.0×10-8
[OH-] = 1.0×10-4
pOH = -log10 (1.0×10-4) = 4
pH = 14 - pOH = 14 - 4 = 10

正解は3