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2020年4月18日土曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 2019.12 問10

令和元年(12月)第70回

単位に関する設問です。知識はあまり必要なく、落ち着いて考えれば簡単ですよ。

解説をはじめる前に、基本的な用語の確認だけしておきます。
食塩水を例にすると、食塩が溶質、水が溶媒、食塩水が溶液になります。


それでは、選択肢を順番に見ていきましょう。

1.
「~分率」という単位は、分母と分子の単位が必ず同一です。設問は「質量分率」なので、分母と分子は必ず「質量」にならなくてはなりません。
「質量濃度」は mg/L と表記されるように、分母が「体積」で分子が「質量」です。
「溶液の密度」も kg/㎥ と表記されるように、分母が「体積」で分子が「質量」です。
したがって、「質量濃度」と「溶液の密度」の積は「質量/体積」×「質量/体積」より、(質量/体積)2 になってしまい、質量分率(質量/質量)と異なるので誤りです。

2.
「物質量濃度」は mol/L と表記されるように、分母が「体積」で分子が「物質量」です。
「物質量」を「質量」で割ると「物質量/質量」となってしまい、物質量濃度(物質量/体積)と異なるので誤りです。

3.
「質量濃度」は mg/L と表記されるように、分母が「体積」で分子が「質量」です。
「物質量濃度」は mol/L と表記されるように、分母が「体積」で分子が「物質量」です。
「モル質量」は 知らない人が多いと思うので、選択肢3の正誤判定は一旦保留とします。

4.
濃度とは溶質溶液との比です。「溶媒の物質量」は関係ありません。誤り。

5.
「物質量分率」は、分母と分子が必ず「物質量」にならなくてはなりません。
一方、体積分率は分母と分子が必ず「体積」になりますから誤りです。

以上より、選択肢の3以外は全て誤りでしたので、正解は3