◆ 透過率と吸光度
光を使った分析では、「どのくらい光が通り抜けたか(=透過率)」と「どのくらい光が吸収されたか(=吸光度)」の2つが重要な指標になります。
◆ 透過率とは?
透過率 (T )は、試料に当てた光(入射光)のうち、どれだけの光が通り抜けたかを示す割合です。入射光の強さを I0 、透過した光の強さを I とすると、透過率は次の式で表されます。
T = I I0
光が溶液を通過すると、その一部が物質によって吸収されるため、一般に I0 > I となり、透過率T は1を超えることはありません。
また、透過率を百分率で示した数値を透過パーセントとよびます。
◆ 吸光度との関係
透過率から求められるのが 吸光度(A) です。
吸光度は、透過率の常用対数をとって次のように定義されます。
A = - log10 T
たとえば、透過パーセントが 100%(T =1)のときは吸光度 A=0、
透過パーセントが 10%(T =0.1)になると吸光度 A=1 になります。
(解説)
1.誤り。吸光度とは透過率を常用対数で表した数値です。
問題文にある「光が物質を透過する割合を、透過後の光の量と透過前の光の量との比で表したもの」は、透過率です。
正解は1。
(解説)
「透過率 = 透過光の強度 / 入射光の強度」ですから、問題文にある「透過光の強度が入射光の強度の 1/4 になった」とは、透過率が 1/4 になったという意味です。
吸光度は、透過率を常用対数で表したものですから、 - log10 (1/4) を計算すれば吸光度が求まります。
(計算)
高校数学Ⅱで学習した対数法則 r log a M = log a M r を用いて、
- log10 (1/4) = log10 (1/4)-1 = log10 4
4 = 22 だから、
log10 4 = log10 22 = 2 log10 2
log10 2 = 0.30 より、
2 log10 2 = 2 × 0.30 = 0.60
正解は2

