2025年10月26日日曜日

環境計量士と吸光光度法(1)

透過率と吸光度

光を使った分析では、「どのくらい光が通り抜けたか(=透過率)」と「どのくらい光が吸収されたか(=吸光度)」の2つが重要な指標になります。


透過率とは?

透過率 ()は、試料に当てた光(入射光)のうち、どれだけの光が通り抜けたかを示す割合です。入射光の強さを I0  、透過した光の強さを I  とすると、透過率は次の式で表されます。

T  I I0

光が溶液を通過すると、その一部が物質によって吸収されるため、一般に I0  >  I  となり、透過率は1を超えることはありません。

また、透過率を百分率で示した数値を透過パーセントとよびます。


◆  吸光度との関係

透過率から求められるのが 吸光度(A) です。
吸光度は、透過率の常用対数をとって次のように定義されます。

A = - log10 T

たとえば、透過パーセントが 100%(=1)のときは吸光度 A=0、
透過パーセントが 10%(=0.1)になると吸光度 A=1 になります。


第72回(2021.12)

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 (解説)

1.誤り。吸光度とは透過率を常用対数で表した数値です。
問題文にある「光が物質を透過する割合を、透過後の光の量と透過前の光の量との比で表したもの」は、透過率です。

正解は1。


第65回(2015.3)

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 (解説)

「透過率 = 透過光の強度 / 入射光の強度」ですから、問題文にある「透過光の強度が入射光の強度の 1/4 になった」とは、透過率が 1/4 になったという意味です。

吸光度は、透過率を常用対数で表したものですから、 - log10 (1/4) を計算すれば吸光度が求まります。

(計算)

高校数学Ⅱで学習した対数法則 r log a M = log a M r を用いて、

- log10 (1/4) = log10 (1/4)-1 = log10 4


4 = 22 だから、

log10 4 = log10 2 = 2 log10 2


log10 2 = 0.30 より、

2 log10 2 = 2 × 0.30 = 0.60

正解は2