「ケト-エノール互変異性」は高校化学の学習範囲外ですが、それほど難しい知識ではないと思います。
「ケト-エノール互変異性」はある特殊な異性現象のことを指し、その現象は対になる異性体同士(ケト互変異性体とエノール互変異性体)が速い速度で平衡状態になっています。
そしてほとんどの場合、エノール型は不安定なため、平衡状態ではケト型に偏っていることが特徴です。
では、設問を見ていきましょう。最初は選択肢の4から。
高校化学ではアセチレンの付加反応として、次の反応を学習します。
アセチレンに水を付加させるとビニルアルコールが生成しますが、生成したビニルアルコール(エノール)は非常に不安定な物質なので、直ちに異性化してアセトアルデヒド(ケト)になります。
したがって、ケト型である アセトアルデヒド の割合が多いことになります。
1.アセトン の反応のメカニズムは基本的に上述の アセトアルデヒド と同じですから、アセトン(ケト)の割合が多いことになります。
2, 3, 5 カルボニル化合物からエノール互変異性体の構造が書けるようになりましょう。
構造図を見てもらえば分かるとおり、2,4-ペンタジオン だけが6員環構造の分子内水素結合しているので安定しています。
以上より、正解は4