毎年、問7はICP発光分光分析法、又はICP質量分析法から出題されます。今回はICP発光分光分析法における分光干渉についての設問のようです。
ICP発光分光分析法では、測定元素だけでなく共存する元素も同時に発光しますし、プラズマ自体による発光線も放出されます。
これら多くの発光線は分光器によってその多くは分離されますが、分離されずに通過した発光線は測定元素の発光強度に影響を与えてしまい、分析誤差が生じます。これが分光干渉です。
分光干渉には①他の元素の発光線が重なる、②比較的幅広い発光線によるバックグラウンドの上昇があります。
上記の対策法はいくつかありますが、次の2つが特に重要です。
①干渉の少ない最適波長の選択
②バックグラウンド補正
したがって、選択肢1と4の記述に誤りはありません。
これに対して選択肢5の標準添加法は、未知試料に目的元素の既知量を添加して測定することで、標準液と未知試料の溶液の粘性や表面張力の違いによる影響(物理干渉)を補正します。
正解は5