高校で学習する沸点上昇についての出題。学校の定期テストで出題されそうなほど簡単かつ基本的な問題なので、試験本番では確実に正解したい。
沸点上昇度(Δtb)は Δtb = Kbm で表されるように、溶質粒子の質量モル濃度(m)に比例する。
※ちなみに Kb は沸点上昇定数といって、溶媒の種類で決まる定数だから、溶媒が同じであれば考える必要はない。
簡単な公式ではあるけれど、イオンに電離する電解質はイオンのモル数を合計する必要がある。
たとえば、0.1mol/kg 食塩水の場合、NaCl は Na+ と Cl- に電離するからモル数は
NaCl の2倍となり、その質量モル濃度(m)は 0.1(mol/kg)×2 より m = 0.2
mol/kg となる。
また、0.1mol/kg 塩化カルシウム水溶液の場合、CaCl2 は Ca2+ と 2Cl- に電離するからモル数は CaCl2 の3倍となり、その質量モル濃度(m)は 0.1(mol/kg)×3 より m = 0.3 mol/kg となる。
選択肢をみていこう。
選択肢の1と2と5は電離しないから、どれも沸点上昇度は同じ。
選択肢3は Ca2+と2NO3- に電離するから、その質量モル濃度は3倍となり、沸点上昇度も3倍になる。
選択肢4は Na+ と Cl- に電離するから、その質量モル濃度は2倍となり、沸点上昇度も2倍になる。
したがって、沸点上昇度が最も大きい選択肢3の硝酸カルシウム水溶液の沸点が最も高い。正解は3。
参考動画