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2021年5月5日水曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 第71回(令和2年)問12

📁第71回(令和2年)

カルボン酸の酸性度を見分ける問題で高校の学習範囲を越えた内容。

図のようにカルボン酸は水中で酸(H+)を放出してカルボン酸イオンになり、カルボン酸イオンは共鳴混成体で表す。

共鳴することで負電荷が非局在化するため、カルボン酸イオンは安定性が高い。共役塩基の安定性が高いほどH+ を放出しやすいことが分かっているから、(ア)~(エ)のカルボン酸イオンの安定性をそれぞれ比較すれば良い。


(イ)
フッ素の強い電気陰性度によって電子が吸引され、負電荷が非局在化する範囲が(ア)と比較して広くなり安定化する。したがって、(イ)>(ア)という順序になるので、この順序に反する選択肢1と選択肢4は誤り。

(ウ)
アルキル基は電子供与基なので、OH の O に電子が局在化しやすくなる。そして(ア)よりも(ウ)のほうが結合しているアルキル基の数が多くて不安定化するから、(ア)>(ウ)の順序になる。この順序に反する選択肢3と選択肢5は誤り。

したがって、正解は


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