1.SI 基本単位
環境・一般を問わず、計量士試験に合格するには SI 基本単位の暗記は避けて通れません。7つあるけど、よく出題されるからがんばって覚えよう。
単位 | 物理量 | |
---|---|---|
m | メートル | 長さ |
mol | モル | 物質量 |
K | ケルビン | 熱力学温度 |
kg | キログラム | 質量 |
s | セカンド | 時間 |
A | アンペア | 電流 |
cd | カンデラ | 光度 |
自分が受験生の頃は、頭文字を並べて「エム・エム・ケー・ケー・エス・エー・シーディー」と唱えて覚えました。
2.SI 組立単位
次に覚えるのが SI 基本単位を組み合わせて作る SI 組立単位です。SI 組立単位は無数にありますが、よく出題されるのは利便性の観点から固有の名称と記号が与えられた22コの単位のうちの次の2つです。
量 | 記号と固有名称 | 基本単位による表現 |
---|---|---|
圧力 | Pa(パスカル) | m-1・kg・s-2 |
熱量・仕事 | J(ジュール) | m2・kg・s-2 |
「基本単位による表現」はよく出題されますし、J(ジュール)と cal(カロリー)を混同させるような出題もあります。
3.SI 接頭語
もはや教養レベルと言っても過言ではない SI接頭語。覚えていない人は覚えましょう。
名称 | 記号 | 10n |
---|---|---|
ペタ | P | 1015 |
テラ | T | 1012 |
ギガ | G | 109 |
メガ | M | 106 |
キロ | k | 103 |
ミリ | m | 10-3 |
マイクロ | μ | 10-6 |
ナノ | n | 10-9 |
ピコ | p | 10-12 |
フェムト | f | 10-15 |
4.法定計量単位
計量法では 72の物象の状態の量を法律(法第2条第1項第1号)で定めていて、これら72の物象の状態の量に対応する「計量単位」を「法定計量単位」として規定しています。
さて、この法定計量単位ですが次の4つに分類されています。
- SI単位がある物象の状態の量
- SI単位がない物象の状態の量
- SI単位があるけど、SI単位以外の単位の使用を認めている物象の状態の量
- 用途を限定した場合のみSI単位以外の単位の使用を認めている物象の状態の量
SI単位がある物象の状態の量
計量法の第3条では、SI単位のある65の物象の状態の量に対応する計量単位を法定計量単位として定めており、たとえば「時間」に対応する法定計量単位として、「秒(s)・分(min)・時(h)」の3つの単位があります。
ところで、厳密には「分(min)・時(h)」はSI単位ではありません。しかし、計量法ではこれらもSI単位に準ずる計量単位として認めています。
これは日本だけに限った話ではなくて、国際度量衡総会においてもSI単位と併用する非SI単位として決議されているのです。
さて、試験で出題される量と法定計量単位の組合せを載せておきましょう。
物象の状態の量 | 法定計量単位 |
---|---|
時間 | 秒(s)・分(min)・時(h) |
質量 | グラム(g)・キログラム(kg)・トン(t) |
SI単位がない物象の状態の量
馴染みがある単位としては、デシベル(dB)がこれに該当します。
SI単位があるのに、SI単位以外の単位の使用を認めている物象の状態の量
回転速度(rpm)、濃度(%, ppm, pH)、気圧(atm)などがこれに該当します。
用途を限定した場合のみSI単位以外の単位の使用を認めている物象の状態の量
ダイヤモンドの質量の計量に使用される「カラット(ct)」や土地の面積の計量に使用される「ヘクタール(ha)」などがこれに該当します。
試験に出題される単位として「カロリー(cal)」と「トン(T)」に注意しましょう。
「カロリー(cal)」は、食べ物や代謝により消費する熱量の計量だけに使用が認められた法定計量単位です。通常の熱量には「ジュール(J)」が使用されます。
「トン(T)」は船舶の体積の計量に使用する法定計量単位で記号は大文字の T です。質量の法定計量単位である「トン(t)」とは異なります。