はじめに、ハロゲン化アルキルについて考えてみましょう。
真ん中にSP3炭素があり、全体で正四面体構造となっています。X は Cl, Br, I といったハロゲン元素を表します。
ハロゲンは電気陰性度が大きいことが特徴でしたから、ハロゲンはマイナスに、炭素はプラスに帯電し、炭素ーハロゲン結合は分極します。
次に、このプラスに帯電したSP3炭素を狙って、求核試薬(Nu-)が現れます。
求核試薬はSP3炭素にアプローチを試みますが、マイナスに帯電したハロゲンが求核試薬に対してシールドの役割をするため、近づくことができません。
そこで、求核試薬はハロゲンが居ない、反対側から炭素原子にアプローチします。
そして、力任せにハロゲンから炭素を引き離すイメージで炭素を奪い取ります。(あくまでもイメージです!)
このとき、立体構造が反転します。
動画でも確認してみましょう。
このようにSN2反応では、ある立体の化合物を原料に用いると、得られる生成物はそれを反転した化合物が得られることが大きな特徴です。
そして、2つの分子による求核的な(Nucleophilic)置換反応(Substitution reaction)という意味から、『SN2 反応』とよばれています。
参考文献と参考動画
亀田和久『亀田講義ナマ中継有機化学』講談社サイエンティフィック(65~75ページ)