「JIS B
7954大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」に規定されている自動計測器は4つありますが、そのうちの1つがベータ線吸収方式です。
ベータ線吸収方式の原理
ベータ線吸収法は、低いエネルギのベータ線を物質に照射した際に、その物質の質量に比例してベータ線の吸収量が増加することを利用した測定方法です。
実際のベータ線吸収方式計測器は次のような仕組みになっています。
- 大気を吸収し、ろ紙上に浮遊粒子状物質を捕集します。
- 14Cや147Pm を線源とする低いエネルギーのベータ線をろ紙上に捕集した粒子に照射します。
- シンチレーション検出器、半導体検出器で透過ベータ線強度を測定します。
- ベータ線の吸収量の増加から SPM の質量濃度を求めます。
さて、設問を見ていきましょう。
(ア) ろ紙上に捕集した粒子がベータ線を吸収しますから、ベータ線の吸収量は質量に比例して「増加」します。「減少」することはありません。したがって、選択肢の2と4は誤りです。
(イ) ベータ線の吸収量の増加から SPM の質量濃度を求めるので、空欄には「質量」が入ります。したがって、選択肢の1と2は誤りです。
(ウ) ベータ線の検出器は、シンチレーション検出器もしくは半導体検出器です。「周波数」は関係ありません。したがって、選択肢の1と2と3が誤りです。
正解は5