ページ

2020年4月14日火曜日

環境計量士(濃度関係)の過去問解説(環化)問6(2019) 

令和元年 第70回 問6の解説

大学基礎レベルの原子の電子配置に関する出題です。


原子の電子配置を考える際は、電子殻の内側に電子が暮らすマンションがあると想像してください。

このマンションは4階建てで、s, p, d の3つのタイプの部屋があり、部屋数は全部で18部屋です。また、どの部屋も定員が2名(電子2個)なので、アパート全体では最大36名(電子36個)が利用できます。

さて、アパートの住人である電子について説明しなければなりません。彼らには2つの性質があります。

①安い部屋に住むことに価値があり、そのためならルームシェアをする。
②でも、可能ならルームシェアは避けたい。

さて、問題文に例として出されているホウ素原子の電子配置を考えてみましょう。

最も家賃の安い1階の「S」タイプの部屋は、2人の電子がルームシェアをします。次に家賃の安い2階の「S」タイプの部屋も同様です。最後の一人は「P」タイプの部屋に入ります。
ちなみに、電子は『↑』で表し、相部屋の場合は『↑↓』のように、矢印を逆向きに表します。


では、クロム原子の電子配置を考えてみましょう。
ホウ素原子のときと同じように、家賃の安い部屋から電子を埋めていくと下の図のようになります。

でも、これは正しくありません。
マンションのオーナーは、「3d」の1部屋だけ空室である状況を好ましく思いません。このようなとき(「3d」の空室があと一人で満室になりそうなとき)、マンションのオーナーは「4s」の住人の一人を「3d」に引っ越しさせます。
引っ越しさせることで、マンション全体が安定するのです。


したがって、正解は 3d54s1 があるが正解。


ちなみに「3d」の部屋に9人が入居していて、あと一人で「3d」が満室になるというときも、マンションのオーナーは「4s」の住人の一人を「3d」に引っ越しさせます。
このような電子配置をとる原子は銅です。


参考動画