今回で4年連続の出題となった溶解度積に関する設問です。設問内容も難しくないので確実に解けるようにしておきましょう。
「当量点」とは、水溶液中のすべての塩化物イオンが銀イオンと反応してしまった(塩化銀になってしまった)状態のことです。
全ての塩化物イオンが塩化銀に変化してしまったのだから、水溶液中に溶解している塩化物イオンはゼロじゃないか!と思うかもしれません。しかし、塩化銀は水に全く溶けないわけではなくて、わずかだけどその一部は次の化学式で示すように溶けて平衡状態になります。
AgCl ⇄ Ag+ + Cl-
さて、設問を解いていきます。
問題文に溶解度積が与えられていますね。
[Ag+][Cl-] = 1.0×10-10 (mol/L)2 ・・・・・①
当量点ですから溶液中の銀イオンと塩化物イオンの関係は [Ag+] = [Cl-] です。これを式①に代入すると
[Cl-]2 = 1×10-10
と書き換えられます。あとは計算するだけ。
[Cl-] = √1×10-5 = 1×10-5