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2021年5月29日土曜日

環境計量士(濃度関係)国家試験問題の解説(環化) 第71回(令和2年)問19

📁第71回(令和2年)

高校で学習する冷却曲線についての出題。学校の定期テストで出題されそうなほど簡単かつ基本的な問題なので、試験本番では確実に正解したい。

選択肢の1から順番にその内容を見ていこう。

1.溶液を冷却していくと、本来であれば凝固点で凍り始める。しかし現実は凝固点を素通りし、何も析出しないまま温度は下がり続ける。この状態を過冷却状態といい、凍っていない(何も析出していない)のだから液相のみが存在する。したがって、選択肢1の記述内容は正しい。

ちなみに、いったん凝固がはじまるとその凝固熱によって温度は上昇する。(点①~②区間)


2と5.食塩水のような溶液が凝固するとき、溶媒のみが凝固していくから溶液の濃度は濃くなる。そして、溶液の濃度が濃くなると凝固点が下がるから、点②~③区間は右下がりになる。もし、これが溶液ではなく純水だったのなら、凝固が終了するまで、点②~③区間は平坦になる。したがって、選択肢2と5の記述内容も正しい。


3.溶液の凝固点の求め方は、過冷却が起こらなかったときのことを想定して考える。すなわち、②③線を左に延長していき、交わった点が本来の凝固点となるから、この希薄食塩水の凝固点は点②の温度である t2 よりも高くなる。したがって、選択肢3の記述内容は誤り。

正解は


参考動画