超頻出の「JIS K0115 吸光光度分析通則」から、Lambert-Beer(ランベルト・ベール)の法則についての出題です。
吸光度を A、物質の濃度が c (mol/L)、セルの厚みが l (cm) のとき、吸光度 A は次の式で表せます。A = cεl
物質固有の光吸収能を示す比例係数 ε (M-1cm-1) をモル吸光係数といいます。この値は、標準試料の濃度と吸光度の関係を表す検量線から求めることができます。
(設問の解説)
4.
モル吸光係数(ε)が2倍になると、同じ吸光度を得るために必要な光路長(セルの厚み)は 1/2 になりますから、誤りです。
5.
吸収セルの光路長(セルの厚み)が2倍になると、吸光度も2倍になりますから、正しい内容です。
正解は5
ちなみに、吸光度 A は次の式で表せます。
A = log10 ( I0 / IT )
I0:入射光 IT:透過光
また、光の透過率(T)は次のようになります。
T = IT / I0
したがって、吸光度 A は次のように書き換えられます。
A = log10 ( 1 / T )
(設問の解説)
1.
A = log10 ( I0 / IT ) は次の式に書き換えることができます。
10A = I0 / IT
入射光の強度が2倍になると、吸光度の値も大きくなります。
2.
濃度が2倍になると吸光度も2倍になります。入射光が一定の状態で吸光度が2倍になると、透過光が小さくなります。しかし、吸光度と透過光は反比例の関係ではないので透過率は 1/2 になりません。
3.
透過率が2倍になると、透過光が2倍あるいは入射光が 1/2 になります。
透過光が2倍になると、吸光度は下がります。入射光が 1/2 になっても、吸光度は下がります。