問20(第69回 環濃)
サンプリング後は直ちに分析を行うことが大前提です。規格に記載されている保存処理は、あくまでも応急処置的なものと考えましょう。保存処理をしたからといって安心できません。
また、処理方法を間違えると揮発してしまったり、価数が変わってしまって取り返しがつかなくなる項目があります。そういった大事な項目は、やはり試験でも狙われます。
選択肢1
問10で役に立ったアンモニアの知識がここでも役に立ちます。
アルカリ性の場合、蒸気圧が高いアンモニアが遊離しますから、アンモニウムイオンを分析する場合は必ず酸性にして保存します。
したがって、内容に誤りはありません。
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選択肢5
サスペンスドラマにも度々登場するシアン化合物です。酸性にすると猛毒であるシアン化水素を発生しますから、「塩酸を加えてpH約1として保存する」という記述は誤りです。
正解は5
今回は登場しませんでしたが、クロム(Ⅵ)もよく狙われます。
クロム(Ⅵ)は、そのままの状態で0~10℃の暗所に保存します。その他の重金属元素と同じように硝酸を加えてしまうとクロム(Ⅲ)もクロム(Ⅵ)になってしまいます。