2020年5月11日月曜日

超頻出‼ 排ガス試料採取方法(JIS K0095)

「JIS K0095 排ガス試料採取方法」は、毎回出題される超頻出テーマです。過去の出題内容を踏まえ、排ガス試料採取方法のポイントをまとめてみました。

排ガス試料採取方法をテーマにした設問は出題が範囲広いため、ここを覚えればOK!みたいな個所がなく、むしろどこを勉強したら良いのか?手掛かりが掴みづらいと思います。しかし過去問研究を続けると、ある程度出題されるポイントは見えてきます。


試料ガスの採取位置
試料ガスの採取位置には、ダクトの屈曲部分、断面形状の急激に変化する部分などを避け、排ガスの流れが比較的一様に整流され、作業が安全かつ容易な場所を選ぶ。

(解説)
この文章を一字一句完璧に暗記する必要はありません。下線部に注意して頭の片隅に入れておいてください。


採取口
  • 採取口は、ダクト内の排ガス流に対してほぼ直角に採取管を挿入できるような角度とする。
  • 採取口に用いる管の材質は、炭素鋼、ステンレス鋼又はプラスチック製とする。

(解説)
「プラスチックは排ガスの熱に耐えられないからダメだろう」と思って正誤問題で「この文章は誤りだ!」とやってしまいます。プラスチックは120℃ぐらいに耐えらえるものであれば、採取口に用いても大丈夫です。


試料採取装置の構成
化学分析による場合:採取管ー導管ー捕集部
連続分析による場合:採取管ー導管ー前処理部ー(分岐管)ー計測器

(解説)
捕集部とは、排ガスを化学分析によって分析するとき、容器に直接または吸収液に吸収させて、試料ガスを捕集する部分のことです。
連続分析とは自動計測器のことです。そして、試料ガスを自動計測器に導入する前に除湿やその他の処理を行う部分のことを前処理部とよびます。
分岐管は、同一採取管から多成分を同時に測定するとき用いるもので、それぞれの計測器に接続する導入口をもちます。


測定成分と採取管・分岐管の材質
測定成分が塩素のとき:金属系の材質は不適切
測定成分がフッ化水素のとき:ガラス系の材質は不適切

(解説)
超頻出です。


一次ろ過材
ろ過材は、試料ガス中にダストなどが混入するのを防ぐため、必要に応じて採取管の先端又は後段に装着する。

(解説)
超頻出です。ろ過材を採取管のどこに装着するのか?を問う設問がほとんどです。


除湿器
除湿器の選択は、試料ガス中の湿度、分析計の特性、要求測定精度などに応じて、これらの方法のいずれから単独または組み合わせて用いる。
水分による干渉を受ける分析計では、前処理部を出たガスの露点を一定に保持する電子冷却式を用いる。水分による干渉を受けない分析計ではいずれを用いてもよい。

(解説)
除湿器とは、計測器内部に試料ガス中の水分が凝縮しない程度に除湿を行うもので、除湿方式は5つあります。その5つを覚える必要はありません。
露点とは、大気中の水蒸気が冷却して凝結がはじまる温度のことです。


気液分離器
気液分離器は、冷却除湿を行うとき、凝縮水を試料ガスから速やかに分離させるためのもので、除湿器の後段に接続し、気液分離管及び凝縮水トラップからなる。
凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐため、必要に応じて凝縮水トラップの排出管に安全トラップを接続する。